パリのテロ関与の女性容疑者、ISIS系メディアと「会見」
(CNN) イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」系のフランス語メディアは11日、パリで先月発生したユダヤ系食材スーパーでのテロ事件への関与が疑われる女性容疑者との質疑応答と銘打つ記事を掲載した。
ISIS系のツイッターのアカウントに掲載した、雑誌「ダル・アル・イスラム」第2号での長さ2ページ相当の記事となっている。この女性は同スーパー襲撃の実行犯アムディ・クリバリ容疑者のパートナーとされるアヤト・ブメディエン容疑者。
ブメディエン容疑者はこの中で、ISISの支配地に問題なく入ったと主張。しかし、これを裏付ける同容疑者の写真などは示されなかった。同容疑者については、スーパー襲撃テロの前、トルコ経由でシリアへ向かったとの情報が流れていた。
フランスのテロ問題専門家は、「ダル・アル・イスラム」はISISの公式メディアとみなされると指摘。今回の記事については、同容疑者がISISの制圧地域に入ったことをうかがわせる材料にもなると分析した。
26歳とされるブメディエン容疑者は記事の中で、ISIS支配地へ今回たどり着くのに何の障害もなかったと主張。スーパー襲撃テロへの関与についての詳細には触れなかった。
クリバリ容疑者については、ISISが樹立を宣言したイスラム教の預言者ムハンマドの後継者を意味する「カリフ制国家」に関連し、イラクやシリアでの戦いを望んでいたと述べた。
イスラム教の女性宗徒に対する助言にも長文で言及している。
CNNは今年1月、クリバリ容疑者とブメディエン容疑者をパリのユダヤ教関連施設の周辺でとらえたとする監視ビデオ画像を入手していた。パリでのユダヤ系スーパー襲撃を含めた連続テロ事件の捜査筋は画像を分析し、両容疑者当人である可能性が非常に強いとの判断を示していた。
この画像は昨年の8月もしくは9月に撮影したとみられ、両容疑者はテロの標的を物色していたとも疑われている。