エジプト、リビアのISIS拠点を空爆 殺害動画への報復
ISISは15日、宣伝部門「アルハヤト・メディア」を通し、このグループとみられる十数人の首をはねて一斉に殺害したとするビデオを公開。エジプト当局者は人質の21人全員が死亡したとの見方を示した。
エジプトはイスラム教徒が国民の多数を占める国だが、シーシ大統領は15日、全国に1週間の服喪期間を宣言。同時に、同国はしかるべき方法とタイミングで殺害犯に報復する権利を持つと警告していた。エジプト外務省は国際社会に支援を呼び掛けた。
米政府はISISによる「際限のない蛮行」を非難する声明を出した。ケリー米国務長官はシュクリ・エジプト外相への電話で弔意を表した。
エジプト北東部のシナイ半島でもISIS系の武装組織が攻撃を繰り返し、先月だけで数十人の死者が出ている。
リビアでは2011年にカダフィ政権が崩壊してからの政治的空白に乗じ、ISISが勢力を伸ばしてきた。CNNは昨年11月、ISISがデルナを完全に掌握したと伝えていた。ISISはリビアの海岸に沿って東部ベンガジや中部シルト、さらには首都トリポリにも拠点を拡大しているとされ、先月末にトリポリの高級ホテルで起きた襲撃事件で犯行声明を出した。
リビア国内にもともとあった過激派組織がISISと自主的に連動しているとの指摘もあり、ISISの支配が北アフリカまで及ぶ事態が懸念されている。