ローマ法王、「婚姻無効」手続きの簡素化を表明へ
法王は今月初め、カトリックが定める「妊娠中絶の罪」についても、従来認められていた司教だけでなく、すべての司祭に罪を許す権限を与えると発表した。
カトリックの教義などを検討する世界代表司教会議では、法王の提案を受けて家庭や性の問題が取り上げられている。次回の会議は10月に開催される。
専門家らによれば、法王が寛容を説く姿勢の背景には、離婚や中絶、同性愛といった問題をめぐり、教会から離脱する人々が増えているという現状がある。カトリックの信者は近年、中南米や欧州で急減している。
ただ教会内部の保守派の間では、欧米を中心とする「性モラルの低下」に対して「毅然(きぜん)とした姿勢を貫くべきだ」とする声も依然として根強い。
また米国の元カトリック教徒らを対象とした調査では、89%が「カトリックに復帰することは考えられない」と答えるなど、「フランシスコ効果」の兆候はほとんど表れていないのが実情だ。