モルドバでウランなど核密輸を3度阻止、米FBI支援で
米国務省国際安全保障・核非拡散局の報道担当者によると、米国、モルドバ両国の核密輸阻止の努力は長年続いていた。2011年7月承認の共同行動計画では、放射線が発生する施設での治安強化、放射能探知機器の供与や最善の核密輸対策などを盛り込んでいた。
バラン内相はFBIが捜査に協力して摘発した3件の内容を説明。直近の事件では今年2月、モルドバの首都キシニョフで放射性物質セシウム135を500グラム売り付けようとしていたモルドバ人2人を逮捕していた。同物質83グラムを見本として10万ユーロで売りさばいたことを突き止め、逮捕につなげていた。
この他、2010年7月と11年にも密輸を阻止。11年の事件では、モルドバ独立派の活動が続く地方で入手したウラン235約1キロの売却を謀っていた7人を逮捕していた。この事件ではおとり捜査官にウラン235の少量を売り付けていたという。
国際原子力機関(IAEA)によると、核もしくは放射性物質の盗難や紛失は1993年から2013年の間に計664件発生。このうち最終的に売却された件数は不明となっている。