イランで米国人父子に禁錮10年 「敵国に加担」
(CNN) イラン国営のニュース専門局IRINNによると、同国で拘束されているイラン系米国人の男性とその息子ら計5人が「敵国に加担した」としてこのほど有罪判決を受け、禁錮10年、罰金480万ドル(約5億円)の刑を言い渡された。
イラン当局が使う「敵国」という言葉は米国を指す場合が多い。
息子のシアマク・ナマジ氏は米国とイランの二重国籍を持つ。ドバイを拠点とする実業家で、1年近く前に拘束された。昨年7月にイランの核開発をめぐる欧米との合意が成立してから、同国で米国人が拘束された初のケースとなった。
父のバケル・ナマジ氏は今年2月に拘束された。米国のパスポートを持ち、出生地はイラクと記載されている。国連児童基金(ユニセフ)の元職員で、健康状態が悪化していると伝えられる。
米国とイランの間では今年、収監者の相互釈放が実現。米国で起訴または収監されていたイラン人7人の恩赦と引き換えに、イランで拘束されていた米紙ワシントン・ポストの元テヘラン支局長と元海兵隊員、キリスト教聖職者ら米国人4人が解放されていた。
イランでは一方で今年9月、英国との二重国籍を持つ女性が国家転覆を図った罪に問われ、禁錮5年の刑を言い渡された。同国の人権団体は当時、当局が二重国籍者を認めず、いやがらせを繰り返していると批判した。
米国務省は18日の声明でイランに対し、両氏をはじめ同国で不当に拘束されている米国人を全員ただちに解放するよう呼び掛けた。
イラン側は有罪となった5人について、「反イラン的活動」により米国から報酬を受け取っていたと主張。この報酬と同じ額を罰金として科したとしている。
イランの国内法では、量刑を言い渡された被告は21日以内に上訴することができる。