ISISがいなくなった町で<2> ジーンズもたばこも自由の証し
オリーブ農家を営むマフムード・アッバスさんは「こうして外でたばこを吸うと、自由な気持ちでいっぱいになる」「この2年間は黒い雲が垂れ込めているようだった」と話す。
アルファズリヤはモスル周辺によくあるほこりっぽい町だが、その大通りはたくさんの人でにぎわっていた。
女性の姿はほとんど見かけなかったものの、男性たちは1週間前ならむち打ちの刑になっていたような服装で路上に集まり、会話に花を咲かせていた。
ある若者は匿名ながら、自慢げに服装を披露した。リーボックのジャケットにストーンウォッシュのジーンズ、そして革のサンダル。「1週間前にこれを着ていたら、モスルへ連れて行かれてむち打ちと罰金の刑を受けただろう」と語り、うれしさを隠しきれない表情で「ぼくらは死んでいたが、今はまた生きている。ペシュメルガが来て生き返ることができた。神様が救ってくださったのだ」と力を込めた。
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次回「ISISがいなくなった町で<3> 支配の傷跡は今も」は11月6日公開