アレッポ住民20万人の窮状、脱出経路なく空爆と飢えに直面
7日朝にはスーツケースやビニール袋に身の回り品を詰め込んだ数百人の住民が、疲れ切った様子で、アレッポ東部から西部へ向かうバス待ちの行列をつくっていた。CNNの取材に応じた数人は、飢えや空爆の恐怖に見舞われ続けた惨状を振り返った。
親族8人とともに移動中の60代の男性は「配給される量のパンでは家族を養うことができなかった。食料が不足したため私は目が見えにくくなった」と語る。一家は2人につきパン1斤が3日ごとに支給されただけだったといい、息子の1人は空爆による破片を浴びた。しかしそれよりも、このままアレッポ東部にとどまって一家が餓死することの方を危惧したという。
CNN取材班は、シリア軍が奪還した地域から兵士が高齢者など弱者を連れ出す現場も目撃した。生後わずか7日という乳児を連れた一家や、高齢の女性が乗った車椅子を押す男性もいた。
ユニセフは7日、この10日間で約3万1500人がアレッポ東部から避難したと発表した。推定では約半分が子どもだったとしている。
カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国の首脳は7日に発表した共同声明で「即時停戦」を促し、シリア政府とロシアによるアレッポでの行動を非難した。国連に対しては「戦争犯罪」を犯した者の罪を問うよう呼びかけ、「政治的解決のみがシリア国民に平和をもたらすことができる」と強調している。