内戦のイエメンでコレラ流行 184人死亡、1万人超感染か
病院前の歩道には、ごみの山がうず高く積もる。衛生状態の悪化がコレラの流行に拍車をかけている。何カ月も給与が未払いの市職員がストに突入したことから、ごみが回収されないまま、街や水の汚染源になっている。
「この紛争は国全体で、人だけでなく健康、水、衛生などの制度体系にも大きな犠牲をもたらした」「医師や看護師は8カ月以上も給与を受け取っていない。制度全体があふれ返った状態で、今は特にコレラがそれに拍車をかけている」。現地の赤十字幹部はそう指摘した。
マンスーリ医師は、治療可能な疾患のために患者が次々に死亡する状況を食い止められないことに対し、焦りを隠さない。コレラは早期に治療を受けさえすれば、比較的簡単に治癒できる。だがそれは、水分補給用の輸液と治療が受けられればの話だ。
イエメンでは、サウジアラビア主導の有志連合とフーシとの戦闘が続く。同国衛生省によると、有志連合が科した封鎖のために、サヌアへの医療物資の供給は完全に底を尽き、80トン分の医療支援物資が東アフリカのジブチで足止めされているという。
「国際社会が対応し、現在の世界で最悪級の疫病からイエメンを救う手助けをしなければならない」。衛生省の報道官はそう訴えている。