米支援の部隊、ISIS「首都」へ攻勢 旧市街の壁を突破
(CNN) 米軍の支援を受けて過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦うクルド人やアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」は3日、ISISが首都と称するシリア北部のラッカへの攻撃で、旧市街を囲む壁を突破することに成功した。米中央軍が明らかにした。
ラッカはISISがシリアに有する最後の拠点とされ、米軍支援の部隊などが奪還に向けて攻勢をかけている。
米中央軍は声明を発表し「有志連合の支援を受け、SDFはラッカで最も要塞化の進んだ箇所へ進軍した。旧市街を囲むラフィカの壁の2カ所を突破した」と述べた。
シリア国営メディアが2009年に報じたところによれば、ラッカ南東部に位置する旧市街を囲むこの壁は長さ約5キロ。高さは3.8メートルで、厚さは1メートルあるという。現在の市中心部からは3キロほどの距離にある。
米中央軍は歴史的建造物とされるラフィカの壁について、ISISの戦闘員が迎撃の拠点としていると説明。いくつかある割れ目には地雷や即席の爆弾が仕掛けられていると述べた。
米中央軍とSDFは、突破した壁の部分を特定していない。有志連合の調整を担当するマクガーク米大統領特使は3日の攻撃について、公式ツイッター上に「ラッカ解放を目指す作戦において重要な節目となる」と投稿した。
ISISは3年超にわたり、ラッカを拠点に中東や他地域への攻撃を行ってきた。SDFは先月6日、同市の奪還を目指す作戦の開始を宣言している。