銅像から軍備まで、北朝鮮とアフリカの関係に国連が監視の目
ナミビア政府は北朝鮮との取引を認めたうえで、「そうした合意は全て、国連による制裁前に交わしていた。しかし制裁が科せられるとそれを履行しなければならなくなり、我々は北朝鮮との契約を終了せざるをえなかった」(同国副首相)と説明する。
万寿台海外開発会社による銅像建設事業は、2016年に国連安全保障理事会の制裁対象になった。
国連によれば、万寿台海外開発会社はナミビアにおいて、もう1つの北朝鮮企業、朝鮮鉱業貿易開発会社(KOMID)と緊密に連携していた。KOMIDは北朝鮮の武器取引の中心的存在だったとされ、2009年から制裁対象になっている。
ナミビアの首都ウィントフック郊外の工業地帯には、監視カメラと高いフェンスで守られた広大な区画がある。CNNが調べた結果、この物件は2004年に万寿台海外開発会社へ約12万米ドル(現在のレートで約1360万円)相当で売却され、現在も同社が保有していることが分かった。
同社の本社はわずか数週間前まで機能していたと思われる。
ナミビアの副首相は、国連制裁に従って北朝鮮がかかわるプロジェクトは全て中止され、北朝鮮の建設作業員は全員がナミビアから出国したと強調する。
一方、国連のグリフィス氏は、ナミビアへの問い合わせに対して1年以上も返答がないと話している。
国連制裁に関する今年2月の報告書は、ナミビアのほかにもコンゴ民主共和国、ウガンダ、タンザニア、アンゴラの各国を、返答のない国として挙げていた。
ウィントフック南部には、ナミビア政府が北朝鮮と契約して建設した軍需工場がある。国連パネルによれば、これは明らかに、約10年前にさかのぼる国連制裁に違反する。
ナミビアは、2016年6月に建設作業を中止したと発表したが、国連パネルはまだ中止の報告を受けておらず、北朝鮮の作業員が出国したという証明もないという。
ナミビアの副首相は、作業員全員が出国したと強調したが、いつ出国したのかは明らかにしなかった。