シリア内最後のISIS主要拠点、政府軍が奪還
(CNN) シリア国防省は3日、シリア軍と同盟部隊が過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」から東部の要衝デリゾールを完全奪還したと発表した。デリゾールはISISの支配下にあるシリア最後の主要都市となっていた。
シリア国防省は声明で、「シリア軍は同盟部隊と協力して外国人を含む多数のテロリストを殺害し、デリゾール全体をISISから解放した」と言及。また国営メディアは、シリア軍がISISの市内最後の拠点を排除した後、「デリゾール全域で治安と安定を回復した」と伝えた。
同市の制圧はシリア政府にとっては非常に重要な進展となり、ISISにとっては大きな打撃を意味する。
デリゾール西部にあるシリア政府の支配地域2カ所は、3年以上にわたりISISにより包囲されていた。シリア軍は約2カ月前、ロシア軍の支援を受けISISを追放。シリア軍と同盟部隊は以来、市内における最後の拠点からISISを掃討するため戦闘を展開してきた。
デリゾールはアサド政権に対する2011年の蜂起の前から強硬な過激主義者を多数抱えていてたこともあり、シリア政府にとって特に重要な意味合いを持つ。シリア政府は同市を、ISISが「首都」と称していた北部ラッカ以上の同組織の拠点とみなしていた。
今回の奪還はシリア政府軍が同国内戦で優位に立ち、米国が支援するシリア民主軍よりも広大な地域の支配権を主張する見通しを示す。ロシアにとっても、シリア国内での戦略が機能していることや、ISISと実際に戦っていることの証しとして極めて重要な成果となる。
ISISは先月、ラッカもシリア民主軍に奪還され敗退が続いている。ただ、依然として東部デリゾール県の対イラク国境付近にある多くの町や村に拠点を維持している。