ハリケーン死者、公表の10倍の500人か プエルトリコ
(CNN) 今年9月に大型ハリケーン「マリア」の直撃を受けた米領プエルトリコの首都サンフアンの市長は5日までに、犠牲者数は地元政府が公式発表した55人よりはるかに多く、最多で500人に達する可能性があるとの見方を示した。
CNNの取材に述べた。カルメン・ユーリン・クルス市長は、ハリケーン上陸に伴う多くの死者は適切に記録されていなかったり、「自然死」に区別されるなどして55人の中に含まれていないと指摘した。
市長は人工呼吸器に頼っていた患者の例に言及。停電となり、呼吸器が止まった場合、自然死と区分けされたが、「(ハリケーンの被害による)電力不足に起因する」と述べた。 地元政府が10月28日に発表した声明によると、マリア上陸後の数週間内に火葬された911体は自然死とされた。しかし、プエルトリコでは通常の数週間を見た場合、処理される火葬件数は約半分の水準との事実に注意を促した。
この声明では、遺体は火葬前に検視されたのかどうかには触れていなかった。ただ、911体のうち火葬手続きを中断させるような疑念が抱かれた事例はなかったとしていた。 ハリケーン被害をしのいだ住民の生活環境は劣悪なままとなっている。同市長は一部の住民は停電下での生存を依然強いられ続けているとも強調した。