米軍支援のクルド勢力転戦、敵は米同盟国のトルコ シリア
レバノン・ベイルート(CNN) シリアで米軍主体の有志連合の支援を受け過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」を掃討する少数民族クルド人勢力系の「シリア民主軍(SDF)」は8日までに、シリア北西部アフリンに侵攻するトルコ軍と戦うためアフリンに転戦すると発表した。
SDFの報道担当者がCNNの取材に声明を述べた。戦闘員1700人をユーフラテス川東部からアフリンへ差し向けたとした。今回の転戦は、ISISを追い詰める掃討戦に悪影響を及ぼす可能性がある。
SDFの報道担当者は、トルコ軍によるアフリン侵攻はISISに新たな再生の機会を与え、ISISへの軍事作戦に影響すると主張してきたと述べた。ただ、この作戦は現段階で終了したとも語った。
有志連合の報道担当者はSDF部隊の一部離反はISIS掃討戦を遅らせかねないとの懸念を表明した。
米国とトルコは共に北大西洋条約機構(NATO)加盟で同盟関係にある。トルコは国内に自治独立問題がくすぶるクルド人問題を抱え、シリアのクルド人勢力を「テロ組織」とも見なしている。今年1月にシリアに越境しクルド人勢力が握るアフリン侵攻に踏み切っていた。