米NEC委員長、G7でのカナダ首相を「裏切り」と非難
ワシントン(CNN) トランプ米政権のカドロー国家経済会議(NEC)委員長は10日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の閉幕に当たり、議長国カナダのトルドー首相が記者会見で述べた内容を「裏切り」だと強く非難した。
トランプ大統領はG7サミット閉幕前に、米朝首脳会談のためシンガポールへ向かった。機内からのツイートで、トルドー氏の会見を「うその発言」「とても不誠実で弱気」などと批判し、サミットの合意文書を米国が承認しないよう指示したと述べていた。
トルドー氏の発言のどの部分が批判されたのかは不明だが、同氏は会見で、米国による鉄鋼・アルミ製品の輸入関税措置に対して来月1日から報復措置を取る方針を確認。「カナダ人は礼儀正しく分別もあるが、横柄な相手の言いなりにはならない」と強調していた。
カドロー氏はCNNのインタビュー番組で、トルドー氏が「国内政治向け」の発言で「G7全体を台無しにした」と主張。米国はG7で同氏らに誠意を示し、合意文書にも署名する予定だったが、「生意気」な会見を聞いてとりやめたと語った。
カドロー氏はさらに、G7参加国は米朝会談に向かうトランプ氏をもっと応援するべきだったと主張した。
トランプ氏の通商顧問、ナバロ国家通商会議(NTC)委員長もFOXニュースの番組で、トルドー氏の会見はG7を後にするトランプ氏を「背中から刺そうとした」ような裏切り行為だと非難した。
米国側のこうした発言に対し、カナダのフリーランド外相は10日、米国の関税措置を「違法で不当」と改めて批判する一方、カナダが外交の場で個人攻撃という手段に訴えることはないと強調した。