中国政府、ワクチン不正めぐるネット検閲強化 国民の怒り収まらず
長春長生生物科技の経営者による不正や非倫理的行動を強く批判して広く共有されていた記事を含め、多数の支持を集めていたエッセイやコメントの多くはインターネットから姿を消した。
今回の問題は国境を越えた影響を及ぼす可能性もある。米シンクタンク、外交問題評議会のビオラ・ロスチャイルド氏は、「長春長生生物科技の不正は、中国製の医薬品を国際市場に売り込もうとする中国政府の取り組みを揺るがす」と指摘した。
同社が深セン証券取引所に提出した2017年の報告書によると、同社はインドやカンボジア、ナイジェリアなど、欧州とアフリカ、中東および南米の10カ国以上で製品を販売している。ただ、問題のワクチンが他国に輸出された形跡はない。
「中国のメーカーは懸命に、『中国製』は『低品質』と同義語だという認識を変えさせようと努めてきた。しかし今回のような出来事は、信頼を失墜させ、中国の安全検査はまだ国際基準に追いついていないことを再認識させる」。ロスチャイルド氏はそう指摘している。