イラン、ペルシャ湾一帯で大規模演習を開始
ワシントン(CNN) イランがペルシャ湾一帯で大規模な軍事演習を開始したことが分かった。最新の情報に詳しい米国防当局者が明らかにした。
当局者によると、演習は「現在進行中」で、米国側は革命防衛隊(IRGC)が初期段階として「数十隻」の小型艇を投入したとみている。ペルシャ湾のほか、ホルムズ海峡やオマーン湾でも演習が実施されている。
イランは今回の演習を大々的に発表していないが、米国はイランが商船の通行妨害やホルムズ海峡の封鎖ができる力を誇示する可能性があると見て警戒している。
IRGCによるこの種の演習はもっと遅い時期に行われるのが通常で、今回のタイミングは異例だ。当局者は米国側の見方として、米国からの発言が激しさを増していることへの対抗として演習が実施されている面もあると述べた。
ただ、ペルシャ湾に現在展開している米軍艦船は1隻だけ。近日中には他の海軍艦船もホルムズ海峡を移動してペルシャ湾に入る見込みだという。
イラン側の発言が激しさを増す中、米軍はサウジアラビアをはじめとする地域諸国に対し、ペルシャ湾の封鎖を避けるため強い姿勢を取るよう促してきた。
マティス国防長官は先週、「イランはホルムズ海峡の封鎖を示唆している。彼らは過去にも封鎖したことがある」と指摘。そのうえで「これが国際海運に対する攻撃となるのは明らかだ」と述べていた。
米国は今年5月にイランとの核合意から脱退。トランプ政権はイランに対する2つの主要な制裁を復活させる方針で、一つは8月にも自動車や金などの金属類を対象に実施し、もう一つは11月を目処にエネルギー分野やイラン中央銀行との取引を対象とする予定だ。