英スコットランドの農場でBSE確認、食品の流通網には入らず
(CNN) 英スコットランドの行政府は18日、アバディーンシャー州の農場で牛海綿状脳症(BSE)の症例が確認されたと発表した。
食品管理当局はこれについて「孤立した症例」だと述べ、食品の流通網には入っておらず、人に健康被害が出る恐れはないと説明している。BSEが見つかった農場は明らかにしていない。
当局者は「感染源について語るのは時期尚早だが、検出できたのは我々の監視制度が機能している証しだ」と強調。不安がある農家は、直ちに獣医師に助言を求めるよう促した。慎重を期すための措置として、「定められた手順」に従って、この農場からの家畜の移動は禁止したという。
スコットランドでは、農場で死んだ4歳以上の家畜全頭に対し、BSEの検査を義務付けている。行政府では、動物から動物へ直接的に感染することはないとしながらも、EUの規定に従って、感染が確認された牛の群れは殺処分にすると説明。「さらなる症例が確認されれば対応できる態勢にある」と強調している。
BSEに感染した牛は中枢神経を侵されて、通常は死に至る。攻撃的になったり方向感覚を失ったりする症状のため、「狂牛病」とも呼ばれる。感染した牛肉を人間が食べると、変異型クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)を発症することがある。
BSEは1986年に英国で初めて発見され、2001年までに18万頭の牛が感染した。ピーク時の1993年には毎週ほぼ1000頭の感染が報告されていた。
1996年には世界各国が英国からの牛肉輸入を禁止し、欧州連合(EU)が10年後に解除するまで禁輸が続いた。