ハンガリー最高裁、移民蹴った女性カメラマンに無罪判決
(CNN) ハンガリーの最高裁は1日までに、警察から逃げる移民らに足を引っかけて転ばせ、蹴るなどした同国の女性カメラマンの被告に対し無罪の判決を言い渡した。
被告は2015年9月、子どもを抱いて警察から逃げる移民の男性に足を引っかけて転ばせたり、別の子どもを蹴ったりする様子を動画に撮影され、世界中から非難を浴びた。
公序良俗違反の罪に問われた被告は17年に下級審で有罪とされ、3年の保護観察を言い渡されたが、今回最高裁がこの判決を覆した形だ。判決について最高裁は「道義的には誤りであり、許されるものではないが、あくまでも妨害行為であって公序良俗を乱す破壊行為とまでは言えない」としている。
被告は当時、セルビアとの国境に近い南部の街で取材中だった。現場では400人前後の移民が、収容施設に張られた警察の非常線を突破して走り出していた。
上記の行為に及んだ被告は数日後、地元新聞に謝罪文を寄稿。当時の心境について、現場の混乱した状況から、襲われるのではないかと思い怖くなったと振り返った。そのうえで「動画を見返しても、とても自分だとは思えない」と付け加えた。
被告はこの後、勤めていたテレビ局を解雇されている。