リビアで戦闘激化、「子ども50万人が危険」とユニセフ
(CNN) 内戦が続くリビアの首都トリポリ周辺で武装勢力と暫定政府側の戦闘が激化している。国連児童基金(ユニセフ)は9日、同国で50万人以上の子どもが「直接の危険」にさらされていると警告した。
ユニセフは全当事者に対し、子どもを兵士として雇うなどの重大な権利侵害を避けるよう呼び掛けた。スタッフは今後も現地にとどまり、子どもたちやその家族への支援を続けるという。
リビアでは4日、ハフタル司令官率いる武装勢力「リビア国民軍(LNA)」がトリポリへの進軍を開始。暫定政府との間で砲撃や空爆、銃撃の応酬を繰り広げている。
世界保健機関(WHO)は9日、戦闘激化から3日間で少なくとも47人が死亡、181人が負傷したと発表した。死者のうち9人は民間人で、この中には医師2人も含まれていたという。国連の推計によると、約3400人の住民が避難を強いられている。
現地メディアによると、トリポリの南東約600キロに位置する都市フカハでは9日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」系とみられる集団による攻撃があり、市議会議長ら2人が死亡、1人が拉致された。
国連は14~16日に北西部ガダメスで和平協議を仲介する予定だったが、事態悪化を受けて延期する見通しだ。
和平協議に先立ち、国連のグテーレス事務総長が先週リビアを訪れてハフタル司令官と会談したが、成果を上げられないまま同国を後にしていた。