アルゼンチン大統領選、左派のフェルナンデス氏が勝利宣言 政権交代へ
アルゼンチン・ブエノスアイレス(CNN) アルゼンチンで27日、大統領選挙が行われ、中道左派の野党候補、アルベルト・フェルナンデス氏が勝利宣言した。現職のマクリ大統領が打ち出した緊縮策に対し、多くの有権者がノーを突きつけた形となった。
経済危機が深刻化するアルゼンチンでは、インフレ率が前年比で50%以上上昇。国際通貨基金(IMF)の予測によれば、今年末までに国内総生産(GDP)が1.2%縮小するとみられている。
マクリ大統領は自身の選対本部でフェルナンデス氏に対する敗北を認め、秩序だった政権交代の実現に向けた協議を呼びかけたことを明らかにした。
集計結果によると、開票率95%を超えた時点でフェルナンデス氏とマクリ大統領の得票率はそれぞれ48%と40.4%。フェルナンデス氏は45%以上の票を獲得するか、直近のライバルの得票率を10%上回れば決選投票なしで勝利が確定する条件だった。
投票率は80.8%。
フェルナンデス氏は27日、今後マクリ氏と可能な限り協力し、「アルゼンチン国民の苦しみに終止符を打つ」ことのみに注力していく考えを強調した。
マクリ氏は広範囲にわたる緊縮政策を実施。増税や燃料補助金のカットによる歳出削減を目指してきた。アルゼンチンとIMFは昨年、同国の財政再建のため500億ドルの融資枠を設けることで合意した。
選挙で勝利したフェルナンデス氏は、今年の12月10日に大統領に就任する予定。