ベルギー前国王に隠し子 DNA鑑定で認める
(CNN) ベルギーの前国王アルベール2世(85)は27日までに、同国の女性彫刻家デルフィーヌ・ボエルさんが自分の娘であることを認めた。ボエルさんは親子関係の認知を求め、7年前から訴えを起こしていた。
前国王は昨年5月、裁判所の命令でDNAの検体を提出していた。弁護団が27日、国内メディアに向けた声明で、DNA鑑定の結果、前国王はボエルさんの父親であることが確認されたと発表した。
弁護団は声明で、前国王がボエルさんを4人目の子どもとして認知し、「尊厳と名誉」を保って法廷闘争に終止符を打つと宣言した。
一方で、法律上の親子関係と生物学上の血縁関係は必ずしも一致しないと指摘。前国王はボエルさんの成長過程にかかわってこなかったのに対し、ボエルさんは自分を育てた法律上の父親との絆を断つことを選んだと批判した。
前国王アルベール2世(右)とパオラ夫人/DANNY GYS/AFP/AFP via Getty Images
弁護士の1人によると、前国王は今後、ボエルさんをほかの3人の子どもたちと同等に扱い、遺言書の相続人にも加えるという。
前国王は1959年にパオラ夫人と結婚し、93年に即位した。その数年後から隠し子がいるとのうわさが浮上し、ボエルさんの名前が新聞の一面を飾った。
13年に前国王が高齢と健康不安を理由に退位し、同時にボエルさんが訴訟を起こした。
18年にはボエルさんの主張が認められ、DNA鑑定を受けるよう命じる判決が出た。国王はこれに応じなかったが、昨年5月には検体を提出するまで1日5000ユーロ(約60万円)の罰金を支払うよう命じられ、最終的に従っていた。