ミャンマー軍、病院や大学を占拠 勾留中の与党幹部が死亡
(CNN) クーデターによって国軍が権力を握ったミャンマーで、全国規模の抗議デモを前に軍が病院や大学を占拠していることがわかった。地元メディアが伝えた。
ミャンマーでは2月1日にクーデターが発生して軍が権力を握ったが、大規模な抗議デモや抵抗活動が続いている。国連によれば、ミャンマーでは抗議デモに対する弾圧で54人以上が死亡している。その多くは若者だ。
ミャンマー最大都市のヤンゴンでは今月6日と7日に多くの場所で銃声や閃光(せんこう)弾の報告があった。治安部隊が住宅地区を急襲する様子が住民によって目撃されたり撮影されたりしている。治安部隊が深夜に住民を拘束することもあった。住民はロイター通信に取材に対し、警官が発砲し、拘束の理由も伝えなかったと述べた。こうした取り締まりは7日の未明まで続いたという。
亡くなったキンマウンラット氏のひつぎを運ぶ人々=7日、ヤンゴン/Nyein Chan Naing/EPA-EFE/Shutterstock
6日に拘束された人の中には、アウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)の党員もいた。ミャンマーの政治犯を支援する団体AAPPによれば、キンマウンラット氏は勾留中に死亡した。
キンマウンラット氏は昨年当選したイスラム教系議員2人のうちの1人の選対本部長を務めていた。
AAPPが7日に公開した声明によれば、キンマウンラット氏は監房内で拷問を受けて死亡した。NLDの議員がロイター通信に語ったところによれば、キンマウンラット氏の頭部や体に虐待が疑われる痕跡があった。
CNNはこの報道について独自に信ぴょう性を確認できていない。
地元メディア「ミャンマー・ナウ」によれば、ミャンマー軍が週末、ヤンゴンやマンダレーの病院や大学を占拠する様子がみられた。活動家は軍の存在について負傷者の治療が妨げられたり、拘束につながったりする可能性があると危惧している。
国際団体「人権のための医師団」は8日、公立病院に対する侵入と占拠や民間人に対する過剰な実力行使を非難した。同団体は軍による病院の占拠は国際法違反にあたるとしている。
ミャンマーの主要産業の労働組合18団体は8日、クーデターに反対するための全国規模のストライキを呼びかけた。「ミャンマー経済を完全に停止させる」ことを求め、「誰もミャンマー市民を強制的に働かせることはできない。我々は軍事政権の奴隷ではないし、今後も決してならない」と述べた。