米、アフガン政府にタリバーンとの暫定的合意を提案
ワシントン(CNN) バイデン米政権は9日までに、アフガニスタン政府に対し、反政府勢力タリバーンと暫定的な権限分割の合意を締結するよう提案した。ブリンケン米国務長官からアフガニスタンのガニ大統領への書簡で述べた。
ブリンケン氏は合意をめぐり、イランなど周辺国の役割が大きくなると示唆。また、バイデン政権が同国からの米軍の撤退について引き続き検討すると警告した。アフガニスタンからの米軍撤退は、トランプ前政権が5月1日までに実施するとしていた。
書簡は米国のアフガニスタン和平担当特別代表を務めるザルメイ・ハリルザド氏を通じて送られた。バイデン政権によるアフガニスタンに関する考察を初めて示すもので、ブリンケン氏のいら立ちを反映した内容ともなっている。同氏は書簡の中で、自身の論調からガニ大統領には状況が切迫していることを理解してもらいたいと記した。
アフガン政府とタリバーンの間では、米国とタリバーンとの昨年の合意以降協議が続いているものの、アフガン国内での暴力は着実に増加傾向にある。
米国務省のプライス報道官は、書簡や提案の内容が事実なのかどうかについてコメントを控えた。書簡はアフガンのメディアが7日に初めて公開。事情に詳しい米当局者1人と外交筋1人は、書簡が本物であると明らかにした。
バイデン氏はオバマ政権時代にアフガンでの米軍の増強に反対。過去にも20年近く続く紛争における米軍の関与を縮小したいと発言している。撤退を成し遂げなくては国内での批判にさらされる可能性があるものの、現在のアフガン情勢は不安定で、タリバーンは国内での支配領域を拡大している。こうした地域では、女性たちがこれまで獲得してきた自由や権利が危機にさらされてもいる。