デモの取り締まり続く、メディアの免許はく奪も ミャンマー
(CNN) 軍がクーデターを起こしたミャンマーで8日、同国の最大都市ヤンゴンでは深夜の取り締まりが行われた。ミャンマー情報省は5つの独立系メディアの免許はく奪を発表した。
ロイター通信によれば、軍はヤンゴン市内のサンチャウン地区に抗議デモ参加者数百人を追い込み、一軒一軒戸別訪問して参加者を取り締まる構えを見せた。デモ参加者が近くの建物に逃げ込もうとするなか、警察は発砲し、閃光(せんこう)弾を使用した。
地元メディアによれば、サンチャウン地区で8日夜に少なくとも27人が逮捕された。CNNはデモ参加者が逮捕されたかどうかについて独自に確認できていない。
米国や英国、国連は警察や軍に対して、デモ参加者約200人の同地区からの退去を認めるよう求めた。数千人が近くの通りなどにまとまって繰り出し、夜間外出禁止令に対する抵抗を示した。
活動家によれば、治安部隊が撤退し、外出禁止令も解除されたことで、閉じ込められていたデモ参加者は9日未明にサンチャウン地区を離れることができた。軍用トラックや治安部隊は午前2時ごろに現場を離れ、午前4時過ぎにデモ参加者の脱出が始まったという。待機していたボランティアがデモ参加者を無料で自宅に送り届けた。
伝統的な巻きスカート「ロンジー」を広げて道路をふさぐヤンゴンの抗議デモ参加者ら/STR/AFP/Getty Images
ミャンマーは2月1日に軍がクーデターを起こして権力を握って以来、混乱に陥っている。民間指導者のアウンサンスーチー氏は拘束されており、臨時政府が国を運営している。1カ月にわたって、ミャンマー全土で毎日数千人が市内に出て軍の支配に抵抗を示している。
しかし、治安部隊の対応は暴力や残忍さを増している。目撃者は司法管轄外の殺害や夜間の取り締まりについて報告している。動画や写真には、警察や軍がデモ参加者を射殺したり拘束者を殴打したりする様子が捉えられている。
情報省は8日夕、国営メディアを通じて、5つの独立系メディアの免許はく奪を発表した。
免許をはく奪されたDVBの幹部は今回の指示で公式な報道機関とは認められなくなり、あらゆるプラットフォームでの放送や出版が許されなくなったとしたが、「それでわれわれを止めることはできない」と語った。免許をはく奪された別のメディアもユーチューブを通じて引き続き抗議の様子を伝えている。