ナイジェリアの大都市ラゴス、水没の危機に 洪水と海面上昇で

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開発が進められている「エコ・アトランティック」/George Osodi/Bloomberg/Getty Images

開発が進められている「エコ・アトランティック」/George Osodi/Bloomberg/Getty Images

だが、エゼキエル氏は「埋め立てによって他の沿岸地域に圧力がかかる」と危惧。護岸壁で保護されていない隣接地域は、高潮に対して脆弱(ぜいじゃく)なままになると主張する批評家もいる。

米国の気候研究機関クライメート・セントラルによると、人間活動による温室効果ガスの汚染によって海面が上昇し、世界のいくつかの地域では低地の沿岸都市が2100年までに完全に水没する可能性があるという。

海面は今世紀末までに2メートル以上上昇することが予測されている。ナイジェリア沿岸部の大半が低地であることから、海抜2メートル以下のラゴスは危機的な状態にある。英プリマス大学は2012年の研究で、ナイジェリアの沿岸環境ではわずか約1~3メートルの海面上昇でも、「人間の活動に壊滅的な影響を与える」と報告している。

ナイジェリアの沿岸地域では、繰り返し発生する洪水によって多くの死者と多数の避難者が出ている。同国政府の発表したデータによると、昨年は200万人以上が洪水の影響を受け、少なくとも69人が亡くなった。19年は洪水によって20万人以上が影響を受け、158人が死亡した。

ラゴスでは気候変動に対する脆弱性に加え、市内の排水システムの不備や道路の側溝の詰まりによって洪水被害が悪化していると考えられている。あるSNSユーザーは洪水の映像に対し、「気候変動が海面上昇に影響を与えているとしても、この動画から分かるのは主に排水システムに問題があるということだ」とツイートした。

アデボーテ氏は「排水システム、廃棄物処理施設、住宅構造などのインフラを見直す必要がある。これらのインフラが環境悪化や人口増加に直面した時、どれほどの回復力と適応力があるのだろうか」と述べている。

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