暴力的なパートナーとの関係解消に43万円支給、家庭内暴力の問題に苦慮する豪州
オーストラリアは世界経済フォーラム(WEF)がまとめた今年のジェンダーギャップの国際ランキングで50位と、米国、英国、フランス、ニュージーランドよりもはるかに低い順位にとどまった。こうした状況はパートナー間の力関係が対等とならず、女性が経済的に弱い立場に置かれやすい一因となっている。
政府は5月、ジェンダー間の賃金格差が過去最低の13.4%になったと報告。一段の格差縮小に取り組むとしたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による都市封鎖の中で、失業や労働時間カットの損害を被ったのは女性の方が多かった。
また多くの国と同様、パンデミックは家庭内暴力の増加も引き起こしている。政府によれば、パンデミックの間に現在の、もしくはかつてのパートナーから身体的または性的暴力を受けた女性たちのうち、3分の2はコロナ禍の中でそうした暴力が始まった、あるいは増加したと回答した。
19日、国内最大の人口を抱えるニューサウスウェールズ州は、4億8400万豪ドルを投じて女性のための避難所75カ所の設置などに充てると発表した。家庭内暴力への取り組みとして一度に支出する金額としては過去最大規模になる。
当該の避難所には裁判に遠隔で出廷するためのオーディオビジュアルルームや共有のキッチン、遊び場などが備え付けられている。