メルケル氏退任式で旧東独の「パンクロック」響く、自ら選曲
ベルリン(CNN) ドイツを16年間にわたって率い、退任を決断したメルケル首相(67)に別れを告げる式典がこのほど催され、同国連邦軍の音楽隊が首相のリクエストに応じ、旧東ドイツ出身のパンクロックの女性アーティストの曲などを流す一幕があった。
ロイター通信によると、この曲はニナ・ハーゲンさんの持ち歌である「カラーフィルムを忘れたのね」。他にも1960年代の曲が披露された。
メルケル氏自身も旧東ドイツで育ち、物理学者になっていた。歴史的なベルリンの壁崩壊後に政界へ進出していた。
正式な首相辞任は来週計画されている。後任には社会民主党のショルツ現財務相が就任する予定。
メルケル首相はベルリンで2日に開かれた退任式で、権力者として過ごした時期は政治的あるいは個人的にも挑戦を受ける日々だったと総括。「同時に、非常に満足すべき立場にもあった」と振り返った。
新型コロナウイルス禍との闘いの前線にいる関係者に謝意も示し、過去2年の間、建設的な民主主義の対話を進めてきたドイツの能力もたたえた。「新型コロナは政治家、科学や社会への信頼がいかに重要かを物語った」ともし、「いかにもろいものであることも見せつけた」と強調した。
その上で「我々が直面している試練への回答は次期政権に委ねる」とし、ドイツを将来へ導く後継者が最善の結果を出せるよう願うと述べ、演説を締めくくった。