ウクライナ出国目指すインド人やアフリカ人、国境で人種差別に直面と訴え 暴力沙汰も
暴力のうわさも
インド人医学生のサークシ・イジャントカルさんもまた先月28日、ウクライナ西部リビウから電話を通してCNNの取材に応じ、自身が味わった試練を話してくれた。
「国境に達するために私たちが通過する必要のある検問所は、3カ所あった。そこでは多くの人たちが立ち往生していた。インド人は通過が認められなかった」と述べた。
CNNは検問所を運営する人々の身元や所属を確認できなかったが、イジャントカルさんによると彼らは全員、制服を着用していたという。
イジャントカルさんはCNNに対し、「ウクライナ人500人が入域した後になって初めて、インド人30人に許可を与えた。国境に至るためには、最初の検問所から2番目の検問所までの4~5キロを歩く必要がある。ウクライナ人には移動のためにタクシーやバスが提供される一方、他の全ての国々の人々は歩く必要があった。彼らはインド人や他の国々の人々に対して、非常に人種差別主義的だ」と話した。
またイジャントカルさんは、国境地点のウクライナ側で待機する学生たちに対する、国境警備隊による暴力を目撃したという。
「エジプト人の男性が柵に手を掛けて最前列に立っていたが、そのせいで警備隊員が彼をとても強い力で彼を押し、この男性は刺で覆われたフェンスにぶつかって意識を失った」と、イジャントカルさんは説明。
「私たちは彼を屋外に連れ出し、心肺機能蘇生を施した。彼ら(警備隊員たち)は気にもせず、学生たちを殴り続けていた。私たちを全く構うことなく、ウクライナ人だけを気に掛けていた」と訴えた。
CNNは暴力沙汰に関する主張を考慮し、ウクライナ軍を取材したものの、これまでのところ返答はなかった。
ウクライナは医学のカリキュラムおよび学費に関する高い評価を得ており、また他の西側諸国における留学よりも諸経費がはるかに低額であるため、医学を学ぶために留学を希望する数多くの外国人学生を引き付けている。