「クレムリンの子どもたち」、親が非難する西側で優雅な生活
ラブロフ外相もまた、娘をニューヨークとロンドンの名門大学に通わせている。ガールフレンドと噂(うわさ)される女性との間に生まれた別の娘は、ヨットやスキーリゾート、新興財閥(オリガルヒ)の所有する大邸宅のビーチで過ごす様子をソーシャルメディアに投稿していると、反汚職財団が指摘している。
2人の娘はいずれも、最近英国による制裁の対象となった。
ロシアのラブロフ外相/Alexander Zemlianichenko/POOL/Getty Images
プーチン氏自身も反西側の言説を張る人物の偽善の例に漏れず、家族や近しい人々が西側諸国の提供する恩恵にあずかっている。
パートナーの一人とされる女性は、プーチン氏の娘とみられる子どもを出産した数週間後、モナコにある410万ドルの邸宅のオーナーになった。ロシアの独立系メディアがいわゆる「パンドラ文書」と呼ばれる漏洩(ろうえい)文書に基づく調査で明らかにした。
オランダの実業家と結婚していると報じられる長女のマリア氏は、同国の330万ドルの邸宅で暮らしていると言われる。また次女のカテリーナ氏と関係のある仏ビアリッツの大邸宅は、同氏の元夫がプーチン氏の長年の友人で富豪のゲンナジー・ティムチェンコ氏から購入したものだ。
8つのベッドルームを備えるこの大邸宅を巡っては最近、活動家が押し入り、ウクライナの難民の避難場所にするよう呼び掛ける騒ぎが起きた。
プーチン氏の2人の娘に対して、英国と米国は先週、制裁措置を科した。
プーチン氏には他にも複数の子どもがいるとの噂がある。その全員が西側諸国に住んでいるとみられるが、クレムリンはそうした報道を常に否定している。
自身の家族が西側とつながっているにもかかわらず、プーチン氏は最近も欧米に資産を持ち、西側の食べ物や思想信条に傾倒するロシア人への批判を繰り広げた。
同氏によればそうした人々の問題は、「心の中で向こう側に行ってしまい、我が国民やロシアとともにいない」ことだという。