14歳少年、イスラエル兵に撃たれ死亡 パレスチナが発表
パレスチナ自治区ヨルダン川西岸ベツレヘム(CNN) パレスチナ保健省によると、ヨルダン川西岸ベツレヘムで27日夜、パレスチナ人の少年(14)がイスラエル軍の兵士に撃たれて死亡した。
遺族によると、少年は夕食後、祖父母の家へ向かう途中で撃たれた。兄弟がCNNに語ったところによれば、少年は兵士らに追われて車庫に隠れたが、脚と背中に各2発、首に1発の銃弾を受けた。
目撃者の女性がCNNに見せた銃撃直後の動画には、大量の血が車庫の床にたまり、車にも付着した光景が映っている。女性は少年が車庫に逃げ込み、「ぼくは何もしていない。撃たないで」と叫ぶ場面を見たという。
パレスチナ保健省によると、少年は病院へ運ばれたが助からなかった。
一方、イスラエル軍はCNNへの声明で、ベツレヘム市内で「通常の保安任務」に就いていた複数の兵士が、数人のグループに石と火炎瓶を投げ付けられ、命の危険にさらされたと説明。兵士らが実弾を使って追跡したところ、グループの1人が負傷したため、応急手当てをしてパレスチナ赤新月社の施設へ運んだと述べた。少年の名前は挙げていない。
イスラエル軍は、今年3月に相次いだ襲撃事件でイスラエル人19人が死亡してから、西岸地区でほぼ連日、容疑者への急襲作戦を展開。これまでに数十人を逮捕している。パレスチナ保健省は、この作戦で少なくとも55人のパレスチナ人が死亡したと主張する。
まだ地元の人権団体によると、イスラエル軍は西岸地区で、単発的な投石などの行為に対しても実弾の使用を認める方針を維持している。その結果、ベツレヘムで2月に10代の2人が銃殺されるなど、複数の死者が出ているという。