酷暑は「命にかかわる問題」 アジアの出稼ぎ労働者ら
猛暑が続いても、政府から作業中止の命令は出ない。労働者は失業するわけにいかず、黙って働き続けるばかりだ。専門家によると、事態を改善するには雇用主側が考えを改め、出稼ぎ労働者の健康と生産性は両立できることを確信する必要がある。
シンガポールの建設会社オーナーによると、労働者は適切な休憩時間を与えられているものの、ヘルメットや分厚いゴム長靴など熱のこもる服装のルールは相変わらずだ。
ラジさんは熱ストレスの兆候を示した後、現場近くの病院へ運ばれた。エアコンのきいた待合室で約1時間過ごしてから医師の診察を受け、異常なしと診断された。「とても涼しくて気分が良くなっていた」と話す。
外国人労働者用の寮付近を歩く労働者=シンガポール・トゥアス/Roslan Rahman/AFP/Getty Images
ラジさんが前回エアコンの風にあたったのは、シンガポールへの機内だったという。