最後まで公務に専念した英エリザベス女王
(CNN) 「私の人生は常に皆さんに捧げられます」
歴代最長の在位の間、英エリザベス女王が何度も誓った言葉であり、最近では即位70周年を記念したメッセージの中にもあった。
エリザベス女王は君主となる予定で生まれてきたのではなかったかもしれない。だが運命に翻弄(ほんろう)され、自分の人生を任務や奉仕に捧げることを固く決意した。
晩年には退位するのではないかとの観測もあったが、エリザベス女王は任務に断固とした態度で臨み続けた。
2020年に新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)が世界を襲ったとき、夫のフィリップ殿下と共にロンドンからウィンザー城に移った。国民は女王に励ましを求め、女王は戦時中の言葉を引用した後「我々は成功する」と力強く宣言した。
都市が閉鎖され、他人と距離を取ることが求められる中、多くの人と同様、エリザベス女王も公務を続けるために在宅勤務を始め、オンラインで務めを果たした。
21年4月のフィリップ殿下の死後、女王はいつものように公務を再開した。最初の公の場は「力であり支え」であったフィリップ殿下の死から1カ月後の議会開会式だった。
今年2月には新型コロナに感染。軽い風邪のような症状に悩まされながらも、一部の公務を継続した。
夏季休暇で7月にスコットランドの私邸に移動。今月6日には、退任するジョンソン前首相をバルモラル城に迎えた後、トラス新首相に面会して組閣と首相就任を依頼した。この面会は女王が初めてバッキンガム宮殿以外の場所で首相任命を行うという歴史的なものとなった。
エリザベス女王の死は、国民のほとんどが他の君主を知らない英国にとってまさにひとつの時代の終わりを告げている。