北朝鮮から贈られた犬、新旧政権の対立要因に 韓国
韓国ソウル(CNN) 韓国の文在寅(ムンジェイン)前大統領が在任中に北朝鮮から贈られた犬を、政府に返す意向を示している。
2018年に北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記が文氏に贈った豊山犬の「コミ」と「ソンガンイ」で、法的には国有財産だが文氏が大統領府で飼い、5月の退任後も引き取っていた。
しかし文氏の事務所は7日、犬を飼い続けるための法整備に向けた話し合いを尹錫悦(ユンソンニョル)大統領が阻止していると非難。尹氏は文氏が飼い続けることに反対しているようだとして、大統領の関係文書や記念品を保存する機関に引き渡す意向を示した。
これに対して韓国の行政安全部は、政府が文氏との間で、1カ月につき250万ウォン(約26万円)の経費を支払う方向で話し合っていることを確認した。
「コミ」(左)と「ソンガンイ」の2018年の姿/Blue House
尹氏も7日、大統領府の声明を通し、文氏が引き続き飼うのを阻止してはいないと主張。関係省庁の間で調整が進んでいると説明した。
北朝鮮と韓国の間では犬が融和の象徴となってきた。00年には、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が韓国の金大中(キムデジュン)大統領に豊山犬2匹を贈り、金大中氏から返礼に「平和」「統一」という名の珍島犬2匹が贈られた。