東部戦線のウクライナ軍、ソ連時代の兵器を21世紀の戦場に導入

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ドローンのリアルタイム映像を基にロシア軍砲撃の目標を設定するウクライナの地下部隊/Mick Krever/CNN

ドローンのリアルタイム映像を基にロシア軍砲撃の目標を設定するウクライナの地下部隊/Mick Krever/CNN

ペトロ氏によると、ロシア軍は新たな兵力を次々と送り込んでくる。どれほどの死者が出ようと、ほとんど意に介していないようだという。

ロシア側の死傷者の多さを巡る発言は、ウクライナ側の地方行政トップや一部のロシア兵からも出ている。しかしロシア国防省は先月、軍の損失について戦力全体の1%を超えない水準にとどまっていると主張した。

前出の地下の司令センターは、全ての小部屋がふさがっている。殺害した人数を集計するホワイトボードや簡易ベッド、設定待ちのドローンを入れた箱の置き場所になっているためだ。

「道はぬかるんでいる」「負傷者を素早く避難させたり、弾薬を運んだりできない」(ペトロ氏)

ウクライナ軍の司令官らにとっては、部隊間の意思疎通が欠如しているのも不満の種だ。下級将校の数も足りず、過酷な戦況が数カ月続く中、兵士たちの士気を保つ人材がいない。

さらに前線近くへ向かうと、並木で区切られた農地の中にウクライナ軍の砲兵隊がいて、地下の司令センターと電話でやり取りしている。

隊を率いるトゥマン氏は、手にした携帯電話越しに受け取った標的の座標をノートに書き込む。その内容を大声で兵士に伝えると、兵士はそれを復唱し、スコープをのぞき込んでソ連時代の大砲の照準を合わせる。弾丸はポーランド製だ。発射の衝撃で、ほとんど凍った地面から落ち葉が舞い上がる。弾丸は甲高い音を立てて、地平線目がけて飛び去った。

「我が軍の参謀は、可能な限り多くの弾丸を供給しようとしている」「しかし弾丸の数が少ないのは承知している。ない袖は振れない」(トゥマン氏)

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