ウクライナ東部クレミンナ、ロシアが「大量の予備兵」を投入
(CNN) ウクライナ東部ルハンスク州の軍政トップ、セルヒ・ハイダイ氏は27日、同州リシチャンスクの北西に位置するクレミンナ市で激しい戦闘が続いていると述べた。ロシア軍は現地に兵力を投入しているという。
ハイダイ氏によれば、ロシア軍は、1カ月あまりで、強力な防衛力を構築した。ロシア軍は大量の予備兵と装備を投入して、常に兵力の回復を行っているという。
ハイダイ氏によれば、ロシア軍は大量の死傷者を出しているものの、クレミンナを失えば、事実上、全ての防衛線が崩壊すると理解しているため新たな兵力を投入し続けている。
CNNは、ロシア側の死傷者数について、独自に確認できていない。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、クレミンナやバフムートなど東部ドンバス地方の前線の状況について「困難で痛ましい」と認めていた。
クレミンナは春以降、ロシア軍に占領されている。
クレミンナは、スバトベから南北に延びる重要な道路沿いに位置しており、ロシア軍が補給のために使用していた。ウクライナ軍がクレミンナやスバトベの北西に位置する補給の拠点であるクピャンスクを奪還して以降、ロシア軍にとってクレミンナの重要性は増していた。クレミンナを失えば、要衝のセベロドネツクにいる部隊への補給能力が制限されることになる。
ハイダイ氏によれば、道路は依然としてウクライナ軍の支配下にあり、ロシア軍がこの道路を利用してクレミンナに向けて装備品や弾薬を安全に運ぶことはできないという。
ウクライナ軍は数週間前、クレミンナ奪還が目前ともみられていた。しかし、ウクライナ当局者によれば、広い範囲に地雷が敷設されているため、クレミンナに接近することが難しくなっている。
米シンクタンクの戦争研究所(ISW)がロシア軍に関するブロガーの情報を調べたところによれば、ロシア軍は、スバトベとクレミンナを結ぶ戦線の穴をふさぎ、部隊の継続的な悪化を埋め合わせるため、さまざまな場所から兵士を呼び寄せていることが示唆されるという。