世界の大気汚染、WHO基準合格は13カ国・地域のみ
アフリカは21年版の報告書より掲載国が増えたとはいえ、十分なデータが得られたのは全54カ国中、19カ国にとどまった。衛星写真やモデリングのデータからは、アフリカの大気汚染が世界で最もひどいと推定されるが、IQエアによれば、データ不足のために判定できない場所が多い。
世界の主な汚染源は山火事と、交通機関や発電所で使われる化石燃料だった。
米オハイオ州コロンバスはIQエアの調査で大気汚染が最も深刻な米国の主要都市の上位となった/Adam Lacy/Icon Sportswire/Getty Images
米国では昨年、山火事が21年に比べて少なかったことから、大気汚染が大きく改善されていた。気候変動との関連が指摘される山火事の増加は近年、大気汚染の主要な原因となり、過去10年の改善を打ち消すほどの影響を及ぼしている。
昨年の全米ワースト1位の都市は、近くに石油精製工場があるカンザス州コフィービルだった。今年は、オハイオ州コロンバスやジョージア州アトランタ、イリノイ州シカゴが上位に入った。
また主要都市のワースト15位までのリストには、カリフォルニア州からロサンゼルス、サクラメントなど計10都市が入った。
中国は長年、世界のワーストリストで1、2位を争ってきたが、昨年は調査対象の524都市のうち、64%近くでPM2.5濃度が下がった。ただし、WHOの目標値に達した都市はなかった。