4歳児が襲われ死亡、野犬問題に取り組むインドの課題

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捕まった野犬=2022年10月、インド・マディヤプラデシュ州/Sunil Ghosh/Hindustan Times/Getty Images/FILE

捕まった野犬=2022年10月、インド・マディヤプラデシュ州/Sunil Ghosh/Hindustan Times/Getty Images/FILE

ニューデリー(CNN) 4歳の男の子は1分近くの間、自分を取り囲んだ野犬の群れから逃れようとしていた。

犬に引きずられて振りほどこうともがいたが、小さな体で抵抗することはできなかった。

近くにいた父親が悲鳴を聞いて駆けつけた時には、既に手遅れだった。男の子は搬送先の病院で死亡が確認された。

2月にインド中部テランガナ州ハイデラバードで起きた事件。防犯カメラがとらえた映像は13億の国民を震撼させ、大量の野犬をどうすべきかという、長年世論を二分させてきた問題が脚光を浴びるきっかけとなった。

「人食い」か「親友」か

動物に敬意を表し、殺処分を嫌悪する文化が浸透した国にとって、これはデリケートな問題だ。野犬が問題だという共通認識はあっても、対策をめぐっては激しい論議が交わされてきた。

インドの通信社PTIによると、同国内には約6200万頭の野犬がいる。ただし実際の数を確認することはほぼ不可能だと専門家は指摘する。

ほとんどの野犬は「インディードッグ」と呼ばれ、人と調和を保って暮らしている。地域の住民が協力して餌やりをしたり、ペットとして引き取ったりすることもある。

しかし野犬にかまれたり殺されたりする事件も後を絶たず、各地で政治家やメディアや市民がさまざまな対策を講じてきた。

ハイデラバードでは4歳児の死亡が脚光を浴びるずっと前から、現地のメディアが「殺人犬」に関する同様の話を伝えていた。

インドのテレグラフ紙は先月、北部ビハール州で「人食い犬」が住民を恐怖に陥れていると伝えた。

インドでは野犬の殺処分が禁止されている。2001年の法律では、野犬は捕獲して避妊・去勢のうえ、狂犬病ワクチンを接種して放さなければならないと定めている。

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