ロシア高官の辞任「禁じられる」 ロシア独立系メディア
(CNN) クレムリン(ロシア大統領府)や地方の政府高官が辞任を禁じられていることがわかった。ロシアの独立系メディア「IStories」が明らかにした。
同メディアはロシア国外を拠点にした調査報道機関で、著名記者のロマン・アニン氏が運営している。アニン氏は情報源として大統領府の高官らがいるとしている。
アニン氏はCNNの取材に対し、何人が辞任しようとして辞任が許されなかったかは分からないとした上で「しかし、辞めようとした人たちの具体例を知っている。知事や治安部隊、大統領府の人々だ」と述べた。
アニン氏は情報源を守るためとして、これらの人々の氏名は明らかにしなかった。
IStoriesによれば、ロシア連邦保安庁(FSB)の元職員は、少なくとも2人の知事が辞任しようとしたものの、大統領府によって辞任を禁じられ、刑事事件として取り上げる可能性を示唆されたと明らかにした。
こうした報道の真偽を確認する術はない。ロシア大統領府のペスコフ報道官は16日、CNNの取材に対し、「特別軍事作戦」の間、政府高官が辞任を禁じられているとの報道について、「新手の作り話」だと述べた。
アニン氏によれば、こうした方針は公式なものではなく、文書で通達されることもない。
ある大統領令によれば、契約中の軍人は契約の満了後も退職することができない。これにはFSBの職員の大部分が当てはまる。
アニン氏によれば、辞任禁止の目的は二つ。もし多くの人々が辞任すれば、行政が機能しなくなるため辞任禁止によって機能不全を抑止するというもの。もう一つの目標は、当局が団結し、全員が所定の場所にいて、誰も逃げ出さないということを国民や部下に示すことだという。