香港キャセイ航空、乗務員3人を解雇 中国人乗客差別との苦情受け
香港(CNN) 香港のキャセイ・パシフィック航空は23日、中国本土の乗客が差別を受けたとの苦情を受け、客室乗務員3人を解雇したと発表した。
21日に四川省成都から香港へ向かう機内で録音された乗客と客室乗務員の会話が、SNS上で拡散していた。
毛布を頼んだ乗客に対し、乗務員が「英語で毛布と言えないなら渡せません」と答えている。
キャセイのロナルド・ラム最高経営責任者(CEO)は23日深夜の声明で処分を発表し、自ら指揮を執ってサービス改善と再発防止に努めると表明した。
中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」ではこの話題が2日連続で注目を集め、解雇処分に関するハッシュタグの閲覧数は3億2000万回に上った。キャセイに対する自分の苦情を書き込むユーザーも多かった。
香港の李家超(ジョン・リー)行政長官も24日、「極めて悪質で残念」な出来事であり、香港のイメージを落としたと非難した。
キャセイの素早い、断固とした対応からは、中国本土の機嫌を損ねてはならないという経営陣の配慮がうかがえる。キャセイでは2019年、職員らが民主化デモに参加した問題で中国当局から圧力を受け、CEOらが辞任に追い込まれた経緯がある。
中国共産党の機関紙、人民日報は論説の中で、外国人を礼賛して本土の中国人を軽視するキャセイの「企業文化」を批判した。
国営新華社通信も論説で、問題が改善されなければ運航路線に影響が出る可能性を示唆した。