ロシアとの「連合国家」参加なら核兵器を供与、ベラルーシ大統領が発言
(CNN) ベラルーシのルカシェンコ大統領は28日に放送されたテレビインタビューで、「ロシア・ベラルーシ連合国家」に参加を希望する国には核兵器が与えられると主張した。その数日前には一部の戦術核兵器のロシアからベラルーシへの移転が始まったと明らかにしていた。
ルカシェンコ氏はロシア国営テレビ「第1チャンネル」のインタビューで、「我々がロシア連邦と結ぶのと同じ緊密な関係をカザフスタンや他の国が結ぶことを気にする者はいない」と述べ、「非常にシンプルだ。ベラルーシとロシアの連合国家に参加する。それだけで誰でも核兵器が手に入る」と続けた。
ベラルーシ政府のホームページによると、1999年に署名されたロシア・ベラルーシ連合国家創設条約は、両国間の経済、情報、技術、農業、国境警備など広範囲に及ぶ提携の法的基盤を提供している。
ルカシェンコ氏の今回の呼びかけがどれほどの範囲に及ぶものなのかは不明。同氏は具体的な内容も示していない。
だが、世界的な核拡散の情勢や、ロシアがウクライナへの侵攻でつまずき保有する核兵器で世界を脅す状況にある中、ルカシェンコ氏が同じ考え方をする同盟国への核供与を示す発言を行ったことは懸念を高める可能性が高い。
ルカシェンコ氏は25日に、ロシア・ベラルーシ両国が署名した合意に従い、一部の戦術核兵器の移転が始まったと発言。国営ベルタ通信によると「貯蔵場所の準備などが必要だったが、我々は完了した。従って、核兵器の移動が始まった」と述べた。
ロシアのプーチン大統領は、ベラルーシに配備する戦術核兵器の管理権はロシアが維持すると説明。この動きは米政府による欧州への核兵器配備と同じで、それによりドイツなどの配備先の国々が非核国家としての約束を破らずにいられると指摘した。