ナイジェリア大統領にティヌブ氏が就任 国家の分断と経済の苦境に直面
(CNN) ナイジェリアの大統領選を制したボラ・ティヌブ氏が29日、宣誓を行って新大統領に就任した。国家の分裂、経済の苦境、悪化の一途をたどる情勢不安に見舞われた中での就任となる。
就任式は厳戒態勢の中、5000人を収容可能な首都アブジャの広場で行われた。当日は全国的に公休日とされ、招待状を持たないナイジェリア人は就任式に近づかないよう告げられた。野党は選挙結果に異議を唱えており、混乱が懸念された。
就任演説でティヌブ氏は「我々は大きな重荷を背負いながら、この荘厳な瞬間にたどり着いた。そこにはより良い未来への展望がある。我々はより高い能力を発揮してそうした未来を創出する」と述べた。同氏は第16代のナイジェリア大統領となる。
大統領就任はティヌブ氏が人生をかけて抱いた野心の集大成だが、直面する課題は大きい。
大統領選での同氏の得票率はわずか37%と、1999年の民政移管以降選出された大統領の中で最も低かった。就任式が進行する間も、SNSにはティヌブ氏の大統領就任に異議を唱えるハッシュタグがトレンド入りした。
ナイジェリアの長年にわたる民族的及び宗教的分断は、今年2月の大統領選で二極化に拍車がかかった。暴力沙汰も発生する中、批評家や選挙監視員らの間では不法行為への懸念が浮上。有権者から選挙権を奪おうとする動きが疑われる事態ともなっていた。
ティヌブ氏の政敵らは現在、選挙結果に対して法的に異議を唱えている。ただ同氏はかねて国を団結させる意向を示し、自身を支持しなかった人々に対しても自らが掲げる政治課題の下で結束するよう訴えている。