北朝鮮へ越境の米兵めぐり「対話が始まった」 国連軍副司令官
韓国・ソウル(CNN) 韓国と北朝鮮の軍事境界線を越えて北朝鮮に入った米兵をめぐり、国連軍司令部の副司令官は24日、「対話が始まっている」と語った。
米軍のトラビス・キング2等兵は韓国で暴力事件を起こして懲戒処分を受け、米国に帰国させられる予定だったが、民間のツアーに参加して共同警備区域(JSA)を訪れ、北朝鮮に駆け込んだ。米兵が越境して北朝鮮に入ったのは1982年以来と思われる。
ソウル外国特派員クラブで記者会見した国連軍司令部のアンドルー・ハリソン副司令官は、キング2等兵の事件についてはまだ捜査中で、詳細についてはコメントできないとした上で、「休戦協定の下、国連軍と朝鮮人民軍の間のコミュニケーション回線が開かれる仕組みがあり、JSAでそれが開通した。そのプロセスが始まった」と述べた。
その上で、国連軍司令部はキング2等兵の身の安全を最優先しながらプロセスを前進させると説明し、「我々は非常に困難かつ複雑な状況にあり、臆測によって、あるいは現在のコミュニケーションに関する詳細に過度に踏み込むことによってリスクを犯すことは望まない」とした。
米当局者がCNNに語ったところによると、北朝鮮側もキング2等兵の問題に関して国連軍司令部から接触があったことを確認したという。
米国務省のマット・ミラー報道官は24日、キング2等兵に関するメッセージに対してまだ国務省への返答はないと説明。米軍にも返答は届いていないと認識していると語った。
キング2等兵は18日に越境して以来、姿を見せておらず、連絡も途絶えている。北朝鮮もこれまでのところ、キング2等兵の状況についてはコメントしていない。