欧米の熱波、気候変動なければ「ほぼあり得なかった」 国際研究グループ
今後さらに、世界の平均気温が産業革命以前より2度上昇した場合は、極端な熱波の頻度も2~5年ごとに上がる可能性がある。
オットー博士は「化石燃料の燃焼をすぐにやめなければ、今年の夏は涼しかったと将来振り返ることになりかねない」と警告した。
研究者らによれば、太平洋赤道域から南米沖にかけての海面水温が高くなる「エルニーニョ現象」の影響も多少はあるが、温暖化の影響がはるかに大きいという。
同博士は、分析結果に驚きはないとしたうえで、「温暖化の暴走」や「気候の崩壊」の裏付けと解釈するべきではないと強調。「安全で健康な未来を確保する時間はまだ残っている。だが急いで化石燃料の燃焼を止め、脆弱(ぜいじゃく)性の軽減に投資する必要がある。さもなければ、これからも毎年何万人もの人々が、暑さに関連する原因で死んでいくことになる」と訴えた。
報告書はさらに、各国、各都市が今後の極端な暑さに備えて対策を講じるよう呼び掛けている。