ロシア、攻撃強化を表明 前大統領が核の威嚇も
(CNN) ロシアのショイグ国防相は31日、首都モスクワへのドローン(無人機)攻撃などに対抗し、ウクライナに対する攻撃を大幅に強化していると述べた。またロシア前大統領のメドベージェフ国家安全保障会議副議長は、核兵器使用の可能性に改めて言及した。
ショイグ氏は、ウクライナが欧米から供給された兵器を使い、ロシア本土の民間インフラに「テロ攻撃」を仕掛けていると非難。ロシア軍はテロの拠点を含むウクライナ軍施設への攻撃を強化し、国内の標的を守るために「追加措置」を取ったと述べた。
ウクライナでは31日、ゼレンスキー大統領の故郷、中部クリビーリフがロシアのミサイル攻撃を受け、少なくとも6人が死亡。
さらに1日未明には、北東部の都市ハルキウへのドローン攻撃が報告された。同市のテレホフ市長はSNS「テレグラム」を通し、人口の密集する市中心部に少なくとも3回の攻撃があったと発表。このうちの1機で寄宿舎の一部が損壊し、火災が発生していると述べた。現地の軍司令官によると、攻撃にはイラン製のドローンが使われた。
またウクライナのイエルマーク大統領府長官は31日、SNS「テレグラム」への投稿で、南部の都市ヘルソンがロシア軍の砲撃を受けたと発表した。住宅地が狙われ、少なくとも4人が死亡、17人が負傷したという。
東部の激戦地バフムートの前線付近では、ウクライナ軍がわずかに前進したとされる。ウクライナのマリャル国防次官によると、ロシア軍は同市南郊にある2つの町に攻撃を仕掛けた。
メドベージェフ氏は30日、ウクライナの反攻作戦が成功した場合、ロシアは核兵器の使用を余儀なくされる可能性があると述べた。ロシア側からのこうした威嚇に対しては、米政権や欧州の当局者、専門家から、無責任で無謀な発言との批判が集中している。