リビア大洪水で市長ら16人拘束 ダム決壊の責任追及
(CNN) リビアの大洪水で被害の拡大につながったダム決壊の責任を問われ、現地の市長を含む当局者16人が拘束された。同国の検事総長が25日に発表した。
検事総長は声明で、ダム施設の管理責任者に対する刑事捜査を開始すると述べた。
今月10日の大洪水で特に甚大な被害を受けた東部デルナの市長や、治水インフラを管理する現・元当局者らが拘束された。
大洪水では2つのダムが決壊し、デルナに激流が押し寄せて街全体が流された。世界保健機関(WHO)によると死者は4000人に迫り、9000人が依然として行方不明になっている。
同市では先週、責任者の解任を求める住民らのデモが起きていた。
検事総長によると、16人は事情聴取を受けた後、拘置された。検察はさらに、ダム修復工事の管理を怠ったり、それによって不正に利益を得たりした可能性のある責任者らについても捜査を続けているという。
デルナでは1942年以降に少なくとも5回、死者をともなう洪水が発生していた。決壊した2つのダムは約50年前に建設され、2002年以降は整備が行われていなかった。ダムの危険性はこれまでも指摘され、昨年の学術論文では、定期的に整備しなければ「破滅的」な洪水が起きると予告されていた。