退避勧告に従ったガザ住民、イスラエル空爆で死亡 「どこにいようと危険」
イスラエルは翌日、デイルアルバラを空爆し、アーエドさんの家族が滞在していた建物の一部を破壊した。この空爆でアーエドさんと、子ども7人を含む家族12人が亡くなった。
近くにある別の建物に滞在していたおいのラジさんは、犠牲者の中におじの一家がいると電話で告げられ、現場に駆け付けた。
「破壊はすさまじかった」とラジさんは振り返る。「私たちは爆発に直撃された人たちを掘り起こし始めた。まだ生きている人もいた。弾薬の臭いがとても強く、どこも粉塵(ふんじん)まみれだった」
「みんなが、これでもう安全だと思い、この地域では何も起こらないと思っていた」「危険にさらされないよう命令に従っても、どこにいようと危険が迫ってくる」
13日以来、推定50万人のパレスチナ人がガザ北部から南部へ退避した。残る人たちの多くは南へ向かうことができず、ガザ北部で身動きできない状況にある。
ヤラ・アルハエクさん(22)はCNNの取材に対し、北部に住む自分たちの一家は南へ向かったとしても身を寄せる場所がないと語った。「安全な行き先がないのでここを離れられない。自分の家を離れることは本当に危険だし、家にとどまっても本当に危険なので、どうすればいいのか分からない」
イスラエル軍はガザ地区で続けている空爆について、イスラム勢力ハマスの拠点と民間のビルに隠された資産を標的にしていると弁明する。
国連の専門家は、パレスチナ市民に対するイスラエルの無差別攻撃を非難。国境なき医師団は15日、病院や救急車も爆撃されたと述べ、「無差別爆撃の犠牲者はほとんどが民間人だった」と指摘した。