外科手術にも大やけどの子どもにも鎮痛剤なし、医薬品使い果たしたガザの病院
(CNN) イスラエルの空爆が続くパレスチナ自治区ガザ地区の病院で市民の治療にあたっている医師たちが、患者のためのモルヒネも鎮痛剤も使用できなくなったと訴えている。国際NGO「国境なき医師団」の責任者が23日に明らかにした。
エルサレムにいる国境なき医師団の責任者レオ・カンズ氏は、外傷治療と手術のための器具や医薬品の重要性を訴え、医師たちは「適切な量の麻酔薬も、適切な量のモルヒネもないまま外科手術を行っている」と語った。
「痛みの管理については行われていない。現在、モルヒネなしで手術受ける人たちがいる。今も2人の子どもがそうだった」
「不幸にも、負傷者の中にはたくさんの子どもがいる。私が昨日話をした外科医の1人は、体の表面の60%にやけどを負った10歳の子を担当した。この男の子に鎮痛剤は投与できなかった」
「こうした必須の医薬品が市民に届くことを妨げる正当な理由は何もない」(カンズ氏)
国連の専門家は先週、イスラエルのガザ封鎖は「言葉にできないほど残酷」で、国際法や刑法に違反すると指摘していた。
カンズ氏はまた、親が自分や子どもの死亡を想定して、子どもたちの手足に名前を書いていることも確認した。市民は「一緒に生きるか一緒に死にたい」という思いから、一家で同じ部屋に寝ているという。
燃料不足も病院の機能や水の供給に影響を及ぼしている。燃料がなければ水の脱塩ができず、水の品質が保てないとカンズ氏は言い、ガザ市民の多くは未処理の水を飲んで下痢の流行につながっていると指摘した。
「戦争にだってルールがある。民間人への爆撃はできない。あまりにも多くの子どもや女性が病院にいる。これは容認できない」とカンズ氏は話し、無差別な爆撃をやめるよう訴えた。