イスラエルの戦車、ガザ地区北部を急襲 「戦闘の次の段階」を前に
(CNN) イスラエル国防軍(IDF)は26日、パレスチナ自治区ガザ地区の北部で戦車による「標的を絞った急襲」を実施し、その後ガザ地区から撤収した。同軍が明らかにした。
IDFが公開した動画には、戦車やブルドーザー1台を含む装甲車がフェンス近くの道路を移動する様子が映っている。戦車は砲撃を行っており、付近には破壊の跡も見える。
IDFはこの急襲について「戦闘の次の段階に向けた準備の一環」と説明。「兵士たちは活動終了後、ガザ地区から離脱した」と述べた。
IDFのラーナー報道官によると、急襲は大規模なものだったが、範囲は限定的だった。地上作戦の実施に備え、より良い条件を整えることを目的とした作戦という。
ラーナー氏はCNNの取材に「実際に敵と交戦し、対戦車誘導ミサイルで我々を攻撃しようとしていたテロリストを殺害した」と明らかにした。
IDFは7日のテロ攻撃を受け、ガザ地区を実効支配するハマスの殲滅(せんめつ)を誓っている。この攻撃では民間人を中心に1400人が殺害され、200人超が人質に取られた。
イスラエルのネタニヤフ首相は25日のテレビ演説で、イスラエルがガザ地区への「地上侵攻を準備」していることを確認した。ガザ地区に対しては3週間近くにわたり空爆が行われている。
ハマスが支配するガザ地区保健当局の情報によると、イスラエルによる攻撃でこれまでに6400人あまりが死亡、1万7000人が負傷した。ヨルダン川西岸ラマラのパレスチナ保健省が情報を公開した。
ガザ地区では既に、イスラエルとハマスの戦闘員の間で限定的な地上戦が起きている。IDFは24日、22日に起きた衝突でイスラエル兵1人が死亡したと発表。7日以降にガザ地区で出たイスラエル軍の死者が公表されるのはこれが初めてだった。