ノーベル平和賞授賞式、イラン活動家の受賞スピーチを家族が代読
オスロ(CNN) ノーベル平和賞の授賞式が10日、ノルウェーの首都オスロで開催され、イランで収監中の受賞者、ナルゲス・モハンマディさんのスピーチを家族が読み上げた。
モハンマディさんに代わって授賞式に出席したのは、双子の娘キアナさんと息子アリさん。
式典には2003年に平和賞を受賞したイランの弁護士シリン・エバディさんや、刑務所でモハンマディさんと同室だった英国系イラン人女性、ナザニン・ザガリラトクリフさんの姿もあった。
モハンマディさんはイランの女性抑圧に抵抗し、人権と自由のために闘ってきたとの理由で受賞した。この活動で通算31年の禁錮刑を言い渡され、現在も服役中。
獄中で書いた受賞スピーチの中で、自身を「抑圧や弾圧、差別に立ち向かってきた、誇り高くしなやかな数百万人のイラン女性たち」の一人と位置付けた。
昨年10月からイラン全土に拡大した「女性、生命、自由」を掲げる抗議デモを「根本的な変化を求める運動」と評し、「イラン国民は立ちはだかる壁と専制政治を粘り強く打ち壊すだろう」と断言した。
そのうえで欧米諸国の政府に対し、イランの民主化を支援する政策に重点を置くよう呼び掛けた。
スピーチの最後には、イランの地に自由と正義の光が降り注ぐことを確信していると強調した。出席者からは総立ちの拍手と「女性、生命、自由」のかけ声が沸き起こった。
キアナさんとアリさんは式典に先立つCNNとのインタビューで、母のモハンマディさんとは8歳の時から会っていないうえ、2年近く前から規制が厳しくなって話もできない状態だと語った。モハンマディさんの刑期は延長され続け、スピーチの原稿を送り出しただけでさらに追加されたという。