仏当局、インド人303人の搭乗機に運航停止命令 「人身売買の疑い」
パリ(CNN) 仏北東部のバトリー空港で21日、未成年者を含むインド人303人を乗せて着陸した旅客機に対し、人身売買の疑いがあるとして仏当局が運航停止を命じた。仏検察が23日、CNNに語った。
旅客機はルーマニアのレジェンド航空が運航し、アラブ首長国連邦(UAE)から中米ニカラグアへ向かう途中で給油のためバトリー空港に着陸した。仏当局は匿名の通報を受けて、機体を差し押さえた。
レジェンド航空の弁護士が23日、CNN提携局に語ったところによると、欧州連合(EU)域外を拠点とする企業のチャーター機で、同航空はチケット販売に関与していなかった。この企業は同航空の得意客で、これまでも何度かチャーター便を手配したことがある。企業名は公表されていない。
レジェンド航空の乗務員は全員、事情聴取を受けたうえで解放された。乗客のうち、同伴者のいない未成年者11人は担当の政府機関に保護された。
仏当局は成人の乗客全員からも事情を聴いた。このうち2人はほかの乗客と違う役割を担っていた可能性があり、確認のため警察の拘束下で取り調べを受けている。23日には拘束期間がさらに48時間、延長された。検察の組織犯罪対策部門が捜査を指揮している。
在仏インド大使館は23日の声明で、支援のため空港に職員を派遣し、現地の当局とも連絡を取り合っていると述べた。
仏国内法では、組織的な人身売買で有罪となった場合、最大20年の禁錮刑や最大300万ユーロ(約4億7000万円)の罰金が科される。